第七十七段

未訳

原文

世の中に、そのころ人のもてあつかひぐさに言ひあへること、いろふべきにはあらぬ人の、よく案内(あない)知りて、人にも語り聞かせ、問ひ聞きたるこそ、うけられね。

ことに、かたほとりなる聖法師(ひじりほふし)などぞ、世の人の上は、わがごとく尋ね聞き、「いかで、かばかりは知りけん」と思ゆるまでぞ、言ひ散らすめる。