第三十四段
原文
甲香(かいかう)は法螺貝のやうなるが、小さくて、口のほどの細長(ほそなが)にして出でたる貝の蓋(ふた)なり。
武蔵国金沢といふ浦にありしを、所の者は、「へなたりと申し侍る」とぞ言ひし。
現代語訳(訳:きよしち - 2026-04-29)
甲香は、法螺貝を小さくしたような形で、口のあたりが細長く突き出た貝の蓋である。
武蔵国の金沢という浦にいたものを、その土地の者は「『へなたり』と呼びます」と言っていた。
コメント
これは兼好法師のメモ書きのようなものですね。当時の風習を知る記述としては価値がありますが、あまり教訓などはなさそうです。