第百二十七段
原文
改めて益(やく)なきことは、改めぬをよしとするなり。
現代語訳(訳:きよしち - 2026-10-12)
改めたところで何の役にも立たないことは、改めないでおくのがよい。
コメント
この段は短いですが、割と示唆に富んでいると思います。私の好きな言葉に、「物事を難しくするのは簡単だが、物事を簡単にするのは難しい」という言葉があります。人はとかく、物事を改善しているつもりで、どんどん物事を難しく、複雑にしてしまいがちだと思います。
何かを変えたときの影響を考えて、それが本質的に何も変わっていないのであれば、勇気を持って何もしないというのも重要ではないかと思います。
なお、この言葉の出典を調べてみたところ、近い言葉としてジャズ奏者チャールズ・ミンガスの「Making the simple complicated is commonplace; making the complicated simple, awesomely simple, that's creativity.」(物事を単純なものから複雑にするのはありふれたことで、複雑なものを単純にする、驚くほど単純にすることこそが創造性だ)という発言がありました。1977年の雑誌『Mainliner』に載った発言とされています。元々はクリエイティビティについての言葉であったようですね。